私立文系を卒業して国公立医学部再受験に挑戦する方のために

私立文系の大学を卒業した後に医学部再受験を志しました。2017年4月入学です。少しでもお役に立てれば幸いです。

センター試験【数学】

センター数学の対策については、自分が書くまでもなく他のブログやサイトで徹底的に解説されているのでもういいかなと思ったのですがやはり自分の経験を書いておくことで一人でも誰かのお役に立てることが出来れば、と思ったので一応書いておこうと思います。

私が一番大事だなと思ったことは、「センター数学を舐めない」ことです。

医学部を目指すような方は基本的には2次試験用に難しい問題集をバリバリ解いているので、それよりも難易度の低いセンター試験はまぁいけるだろう、という感じで数週間前から対策をする方が多いと思います。

勿論、それで問題のない方もたくさんいらっしゃると思います。

でも数学が苦手な私は違いました。一応、Z会から出ている「解決!センター数学」という本を買ってちまちま進めていたので、悪くても1Aと2Bの両方7割~8割は取れるだろうと油断していたのです。

そんな状況で、12月の初旬に一度きちんと時間を図って、本番さながらにセンター試験の過去問でも試しに解いてみるかと思ってやったときの衝撃は今でも覚えています。

2,3年やってみたのですが全く点数が安定せず、平均して数学1Aが70点、数学2Bが50点しか取れませんでした。そこで、センター試験数学の怖さに初めて気付いて顔が青ざめました。

一度どこかで詰まってしまうと頭の中がものすごく混乱します。

詰まった時、その問題を飛ばして次の大問に進むか、それとも少し粘って考えるか、本当に苦しい決断を迫られます。そして、その中で時間を気にする余り精神的に追い込まれ、ちょっと考えれば解ける問題を飛ばしたり、飛ばした方がいい問題に時間をかけたりして失点が積み重なっていきます。

本番ではないのにこの有様なら、本番だともっと点数が取れる見込みは低くなるでしょう。もし数学がこければ、後に受ける教科に影響が出るかもしれませんし、センター試験の点数がその分下がれば、地方国立の医学部入試ではかなりビハインドを背負うことになりかねません。

そこで、センター試験数学の対策に時間を割くことを決断しました。

私がした対策は、各予備校から出ているセンター対策問題集をやり込むことです。

過去問は2,3年分を一度やっただけで、他は一切していません。

①「解決!センター数学」

1Aと2Bの2冊あります。前年の6月くらいからちょっとずつ進めていました。

そこまでレベルも高くなく、解説も適量だと思うのでおすすめです。

ただ、この類の参考書は他の予備校も出版していると思うので正直何でもアリだと思います。

②「合格る計算1A2B」

計算の基礎を固めるうえでとても役に立ちました。加法定理や倍角の公式の確認でとても重宝しましたが、他にも色々と有益なのでセンター対策として使える使い勝手の良い参考書だと思います。

③「マーク式総合問題集数学」「大学入試センター試験実戦問題集数学」

河合と駿台から出されているもので、1Aと2B合わせて合計4冊です。

私は、これらをきっちり一つ一つ時間を計って解き、2週してセンター試験で問われるパターンを把握し、問題を見た瞬間に手が動くようにしました。

センター試験で数学を受ける当日の昼休みもひたすら手を動かしていた記憶が今でもあります。

以上の対策に取り組み、なんとかセンター試験本番では1Aは8割前半、2Bは8割中盤の点数を取ることが出来ました。

ハッキリ言って医学部受験生としては低い点数です。もしかしたら予備校の予想問題集よりも過去問をやり込んだ方がより伸びたかもしれません。

ただ、私としてはよくこの点数まで上がったなという感じで、本当にセンター試験数学対策に時間を割いて良かったなと思っています。

ですので、いくら私立文系出身と言えど私ほど数学が苦手な人はそうそういないとは思いますが、もし数学が苦手な方がいらっしゃったら、是非早めにセンター試験数学の対策をしておくことをお勧めします。

 

数学⑤

今回で数学の参考書紹介は終わりとなります。

本当であればもっと各参考書の詳しい使い方について語りたいのですがそれだと全ての教科の紹介を終えるのに数年かかってしまうかもしれません。

なので、取り敢えずこれでご勘弁下さい。

 

⑥合格る確率 (評価:★★★★★)

確率という分野はセンターでも2次試験でも点差がつく重要な得点源になってくるのではないかと思っていました。なので、最初は「ハッと目覚める確率」を購入したのですがどうも私には合いませんでした。

そこで、合格る確率に乗り換えることにしたのですが解説も分かりやすくレイアウトも見やすいのでこれ1冊で確率分野はいいやと思えるほど感触が良かったです。

最初の方は超基本的な事項から扱ってくれていて段々とレベルが上がっていくのですが終盤になってくると東大レベルを超えようかという段階までになります。

そこまでのレベルは私には必要ありませんでしたので、問題が100個あるうちの90あたりまでを繰り返し約3週しました。2週目、3週目は最初の基礎レベルの問題をある程度飛ばすことが出来ると思いますのでそこまで時間もかからないと思います。

ただ、確率分野が出やすい大学と出にくい大学があると思いますので、確率にそこまで時間を割くのかどうかは事前にしっかりと決めておかないといけない部分だと思います。

 

⑦国公立標準問題集CanPass (評価:1A2B★★★★☆、3★★☆☆☆)

2次試験の数か月前あたりから始めてそれぞれ1週しました。

1A2Bに関しては本当に標準問題レベルが揃っていて、ある程度解説も分かりやすく良かったと思います。ただ問題のレベルが少し足りないと思いますので、やはりもう少し上のレベルの問題集は必要になってくると思います。 また、問題数が少ないのがメリットにもデメリットにもなるかなという印象です。

3の方に関しても1A2Bとあまり変わりはないのですが解説が不十分で理解しきれなかった所がいくつかあり、問題のレベルも私にとっては1A2Bと比べるとやや高めに感じられたので正直やや中途半端な印象を感じてしまいました。

ただ、数3の膨大な範囲を少ない問題数に上手く凝縮してくれているのは良かったと思います。

 

微積分 基礎の極意(一部しかやっていないので評価不能)

評判が良かったのでやってみたのですが、最初の方の計算問題をして、後はたまに取り出して眺めるくらいでした。

読み物としてはすごく興味深く、辞書的な使い方で問題を解いていてあれっ?と思ったことを調べるのに向いている本だと思います。

第3部も難しい問題が揃っているので、私は時間の制限もあり1対1からここまで辿り着けませんでしたが、時間に余裕のある人はやっておくと恐らくほとんどの地方国公立医学部レベル(単科医を除く)では数3の微積分の分野に関して他の人より優位に立てるような実力がつくと思います。

数学④

参考書紹介は他の人にとって役に立つかと思うので出来るだけ早く終わらせたいです。

 

③基礎問題精講数学3 (評価:★★★☆☆)

白チャートが数学3まで終わらず焦っていた私は時間もないので薄そうだけどある程度の網羅性を持っているだろうし白チャートをやるよりは早く完成するだろうという期待を込めて基礎問題精講をやることにしました。

取り敢えず、例題の見よう見まねで練習問題を解き、納得のいかないところは白チャートで同じ箇所を扱った部分と見比べながら併用するというやり方でやっていたのですが、確かにある程度の基礎はついたかなという気がします。

ただ、ところどころに難しい問題が潜んでいたのと、1週したはずなのに印象が薄く、正直おススメかと言われると答えに窮してしまいます。

数学3はパターン問題が少し捻られて出題されるという特徴が他の科目よりも顕著だと私は思います。ですので、基礎を理解するのは勿論大事なのですが、基礎を身に付けたらすぐに2次試験レベルの問題に数多く当たりそれらの解法を良い意味で暗記していく方が戦略としては良いのかなと思います。

 

④合格る計算(評価:1A2B★★★★☆、3★★★★☆)

評判が良かったので購入しました。

どちらも基本的な事項から扱ってくれているので受験直前に使うよりは受験の前半~中盤で使用する参考書かなぁという印象です。白チャートより少し遅れて購入したので白チャートの良い復習になりました。

私のように数学が苦手で、しかもしばらくの間数学から離れていた人は計算だからといって舐めてかからずに数ページでもいいので毎日コツコツやると良いと思います。

ただし難しい問題がたまに混じっているので、小問の数が多すぎて嫌な場合や考えても分からない場合はどんどん飛ばして後で答えを確認するというやり方で私は良いと思います。

ちなみにセンター試験対策としても基本事項のおさらいで役に立ちました。

 

⑤数学重要問題集(評価:中途半端にやったため保留)

二次試験の直前1か月前くらいから志望する大学の頻出分野に絞ってやっていました。1冊に1A、2B、3までの問題が収められていて問題数が多いと私は感じたので、やるなら最低数か月前のもっと早い時期かなぁと思います。

問題レベルも2次試験としては適切でB問題で地方国立医学部程度はあると思います。

解説はそこまで親切ではないですが簡素でもなく普通の印象でした。

私は中途半端にこの問題集に手を出して中途半端なまま終わってしまったので、あまりこの問題集については多くを語れませんが、そこまで悪い問題集ではないと思うのである程度期間に余裕を持って志望大学の頻出分野の問題演習を積みたいという人はやってみても良いんじゃないかなと思います。

数学③

遅くなりました。

①1対1対応の演習 (評価:★★★★☆)

白チャートを2Bの中盤あたりまで進めた頃から私は同時進行で1対1対応の演習に取り組み始めました。

全6冊を意気揚々と揃えたのはいいのですが数学1Aに関しては全く使わず、代わりに標準問題精講1Aを使用していました。

今振り返ってみると、白チャートから1対1はいけないことはないとは思います。ただ、本当に数学が苦手な私が質問する相手もいない独学の環境で取り組むには少々難易度が高く、1つの問題に1時間半以上悩んだり、解説が上手く理解できず困ったことを考えると効率が悪く、結局他の参考書にも手を出すことになってしまったので今の私が当時の自分にアドバイスするなら間にもう1冊何か挟んだ方がいいよと言います。

なので大分と1対1には時間がかかりましたが、それでも数学の実力が段々とマシになってきた受験期後半の11月頃からは問題を解くのが多少楽になりました。

結局、数3の2冊に関しては3週、2Bに関しては2週(ベクトルなど頻出の分野は3週)くらいしたのですがようやく3週目で手応えのようなものを感じ始めた気がします。

冊子が薄く、一日2問~4問でも普通に進める人であれば1か月かからないで1週できるので大分と救いにはなりました。(私の場合それでも1週目は数か月かかりましたが汗)

受験中盤から終盤まで使えると思いますのでやって良かったとは思いますが使い方にはやや注意かなといった印象です。

 

②数学標準問題精講 (評価:1A:★★★★★2B:★★☆☆☆)

標準問題精講1Aに関しては、白チャートから進んでも比較的すいすい進められて短期間で2週することが出来ました。解説も分かりやすくて、1Aに関しては実力を確実に引き上げてくれたので良かったです。

ただ、到達点に関してはやや低め、といった感じでこれだけで難関大学の2次試験に対応するのは難しいかなと思います。なので、私の志望大学だと確率や整数の分野が2次試験では比較的よく出る傾向でしたので、それらの分野に関しては他の参考書も加えて対策しました。

標準問題精講2Bに関しては、1Aと違って広い範囲でけっこう深くまで数学2Bの範囲を網羅してくれていました。(ベクトル等いくつかの分野は薄いですが。)

一応1週したのですが、例題や演習含め数学力の弱い私にとっては解説が言葉足らずで理解できない部分が多く難儀しました。

勿論、数学能力が低くない人にとっては有用な教材になり得るとは思うのですがちょっと私には合わなかったかなぁといった感じです。

数学②

前回の数学①の続きということで、私がやった具体的な参考書について述べていきます。

たすきがけも出来ないし解の公式も言えない。数学3なんて見たことも聞いたこともない。

こんな状況では二次試験、いやセンター試験レベルでさえ辿り着けるか分かりませんでした。

でも、やらなければ辿り着かないし始まらない。

というわけで、私が一番最初にやり始めたのは、『白チャート』です。

白チャートをⅠA、ⅡB、Ⅲと一式新しくネットで注文して取り組み始めました。

具体的なやり方として、私は例題とその下のEXにのみ取り組んで、エクササイズや定期試験対策コーナーなど問題が複数集まっているページに関しては完全にスルーしました。

例題に関しては解くのではなく最初から解答を見て流れを理解する。そして例題の下のEXに取り組むという至って普通のやり方です。

問題をスルーした理由に関しては、私の場合、知識に穴があるというよりは何も土台がない更地のような状態なので、まずは一度数学の範囲に関して一通り目を通した方が良いと考えたこと。そして、受験を国立のみに絞っていたのでセンター試験である程度良い点数を取らなければならず、他の教科を考えると単純に時間がなかったからです。

勿論、こんな状況なので正直、『白チャート』といえど理解に苦しむところもありました。お恥ずかしい話ではありますが、特に弧度法や図形といった分野に関しては中学生レベルの数学の参考書を見ながら進めていったこともあります。

ただ、私にとって良かったことは今の時代、ほとんどの数学の基礎的な事項、例えば公式の証明や典型的な問題に関しては中学レベルであっても高校レベルであってもネットに載っています。ですので、分からないところに関しては常にネットで調べながら勉強していました。 

結局、こうして日々白チャートに取り組んでいたのですが、なんやかんやでⅡBまで終わるのに半年ちょっとかかりました。

しかも数学Ⅲのチャートには辿り着けませんでした。

こうして振り返ってみると本当に酷い有様だったなと自分でも思いますが、白チャートである程度は下地を作れたかなという印象もあるので、正直白チャートに関してはやって良かったかなという実感は少しあります。

ただ、やはり怖かったのは挫折です。

ですので、気分が乗らない時、私は例題の下のEXに関してはセンターマークの印が付いているところだけやって他の問題は無視し、一日のノルマを無理やり早めに終わらせていました(例題に関しては全ての問題についてきちんと見ましたが)。

数学①で1年半結構な時間を数学に費やしてきたと記事に書きましたが、私立文系卒で数学力が低く、数学が嫌いな私にとっては「一度嫌いになる→手をつけなくなる→気合いを入れ直して取り組む→手をつけていない間に数学力が衰えてもっと分からない→嫌いになる→手をつけなくなる→・・・」のループが起きやすかったです。

なので、無理やり一日のノルマ(1日10ページ等)を決めて数学と触れ合うようにしていました。今でも数学は好きではないですが、毎日数学と触れ合っていたことで何とかある程度のレベルまで達することが出来たのかなと思います。

数学①

いろいろ忙しく、スローペースな更新ですが大目に見て頂けると幸いです。

さて、ここから各教科についての具体的な情報に関して触れていきたいのですが、

はっきり言って、数学に関しては最後まで勉強の仕方が分かりませんでした。

1年半前に再受験に臨むにあたって、色々情報を調べましたが、私立文系から再受験を試みる方は大体の方が数学に苦戦されていたように思います。

恐らく大体の人は「じゃあ数学の勉強時間を多めにとろう」と考えると思います。

私もそう考えましたし、特に、私の場合、解の公式やたすきがけも危ないし、数学3なんて見たことも聞いたこともないという状況でしたので、随分と悩みました。

具体的な参考書に関しては次の記事で述べるとして、結局、私は結構な時間を数学に割いたにも関わらず、センター試験でも数学2Bが84点、数学1Aが81点という、はっきり言って国公立医学部受験者としては低い点数しかとれませんでした。

最初の悲惨な状況を考えればこの点数でも随分上がったのかもしれませんが、はっきり言って数学は報われない可能性が高い、一番怖い教科だという評判は私立文系卒業者にとってはその通りではないかと思っています。

一つの計算ミス、一つの問題の読み間違いで数十点が飛んでいく…

数学はそんな傾向が他の教科に比べてはるかに高いと思います。

私は数学で不得意な分野がいくつかあったので、それらに対してはセンター試験や2次試験で出ないでくれ!と神様に祈ることもありました笑

結局、数学に関しては、私は足を引っ張られる教科だと割り切って、他の人が6割の点数を取るなら5割でもいい、ただし、その分、他の教科で点数を取ろうと考えました。

これが合格に結びついたのではないかと今から振り返って思います。

当然、各大学の数学の難易度や傾向によっても左右されるので、そこらへんは各自で調整が必要な部分なのでしょうが、私立文系を卒業して入ろうとする人にとってはそもそも数学を他人よりもアドバンテージをとれるレベルまで引き上げることは効率が悪いのではないかと思います。

 

予備校か宅浪か?

予備校か宅浪か?とは言いつつも、恐らく大半の人々は予備校に通う選択をされると思います。

私は宅浪を選択して合格していますが、余り宅浪はおすすめしません。

というのも私の場合一人暮らしで、完全に勉強に集中できる環境が整っていたからです。

私は、予備校というものに関しては、授業はあくまでも「おまけ」だと考えており、予備校に入って得られる一番のメリットは「勉強に集中できる環境」だと考えています。

ですので、再受験を志して頑張ろうとする人がもしいらっしゃったなら、

一人暮らしで、土日も外に出ず、基本的に仕事以外は家にいて勉強に取り組むだけの熱意がある、という人ならば私は宅浪をおすすめします。

私は仕事を辞めてからの約4ヶ月ちょっとの期間は、1週間のうち外出は3回~4回だけで、後は主に勉強か寝るかの生活をしていました。

但し、部屋に勉強机しかないような全て勉強か寝るかの生活ではなく、ノートパソコンはすぐ手の届く距離に置いてありましたし、野球中継や映画などをテレビで楽しんでいたこともあったということは付け加えておきたいと思います。

まとめとして、宅浪でも学力を上げることは十分可能です、予備校にわざわざ通う必要はありません。

ただし、これは「勉強に集中できる環境」と「その環境の中で真剣に勉強し続けられる熱意」の両方が揃っている場合です。

上記の事柄に関して、少しでも不安のある方は正直なところ予備校に通った方が合格の可能性は高まるのではないかという風に思います。